ペンション・ザッハー・アパートメントの歴史

 

フランツ・ザッハー(1816-1907)はメッテルニヒ公のお屋敷で、16歳という若さでザッハートルテを作り上げました。それは世界的に有名なスイーツの誕生であるのと同時に、世界中に発展したのケーキ・ホテル産業の始まりでもありました。

フランツ・ザッハーの夏の別荘であるビーダーマイヤー風の邸宅はロマンチックな雰囲気のある保養地へレーネンタールにあり、三男のカール(1849-1929)が受け継ぎました。カールは邸宅を拡張し、1881年にホテル・ザッハー・イン・バーデンを創業しました。フランツ・ザッハーはそこで晩年の日々を過ごしました。後にカール・ザッハ―はホテルを息子のカルレット(1876-1960)に譲り、カルレットは妻のカルラ・ザッハー(1889-1989)と共にホテルを経営していきました。第二次大戦後の占領時代にはホテルは閉鎖されていましたが、1956年より子供のカール・フェルディナンド(1912-1991)とマリーナとともにホテル経営を再開しました。カルラ・ザッハーはたいへんな長寿で、100歳の誕生日をバーデン・ザッハーの出発点となった邸宅の広間で祝いました。マリーナの娘、イレーネ・ザッハーは若い頃からホテル・ザッハー・イン・バーデンの経営に関わりました。

ザッハートルテを考案したフランツ・ザッハーの曾孫にあたるカール・フェルディナンド・ザッハーは、妻のフランチェスカ・バーバラ・ザッハーと共に1964年、ウィーンにペンション・ザッハー・アム・シュテファンスプラッツを創業しました。1986年にその娘のクラウディア・ラツェック・ザッハーが事業を受け継ぎ、さらに成功させました。その後2012年に経営を息子たち、イニゴ・ラツェックとドミニコ・ザッハーに譲りました。現在ではカール・フェルディナンド・ザッハーとフランチェスカ・バーバラ・ザッハーの孫の世代がお客様の快適な滞在に努めています。